バイキングは、楽しい。
「選ぶ」は、発想・構想の能力を引き出すとても重要な行為。
はじめは、好きなものを好きなだけでもいいかもしれないが、
徐々に、「目的や条件を踏まえて」「選び出す」事が重要になる事は言うまでもない。
条件で言うと、こちら側に科せられた条件の方が厳しい。
時間、設備、そして材料費/消耗品費など。
それでも、ささやかながら「バイキング」風の準備をするだけで、
子どもたちの目の輝きはかわる。
中学校3年生の彼らにとっても同じ事。
白い紙を配布して、
「さあ、自由に思いのままにやってみよう!」
では、生徒の多様な状況に対応をすることは難しい。
指導者が意図するものをつくらせようとする事は、好ましくないが、
「自由に思いのままに」に【想】を広げ【創】を展開するための
手がかり・引きだしが彼らには必要になる。
ここで、扱う教材・素材は、1年時に行った切り絵や切りおこしの授業そのもの。
紙やカッターナイフの効果的安全な扱いなど、想起させながら復習的な体験学習。
皆、かつてやったことのある技法なので自信をもって取り組んでいる。
なにより、集中力が凄い。
「成長のあと」、いや「学びのあと」が伺える。
取りかかったら、黙々と。できたら、次へ次へと。
(下絵は、線の量や複雑さによって難易度を変えている。)
切るだけ、折るだけだが、最後に折り畳んで、広げたとき、文字が立ち上がる。
分かりきっているだろうけど・・・
でも、ポップアップするという仕掛けが、彼らのよろこびの表情をつくりだす。
そう、広げたときポップアップするこの楽しさ驚きを、他の人にも味わってほしい!
これが、表現活動へのモチベーションを高める。
これは、教材力。
授業の後半で、
「今日は、体験版。次の時間は、自分が誰にどんなメッセージを伝えたいか、
どんなコトバにするか、どんなデザインにするか、考えていくからね。」
このコトバに、「早くやりたーい」「もう、決まった」とか、
友達同士で「どんなのにする?」などなど、次の時間への期待を示す様子が見られた。