
報告会に参加してきました。
教育普及担当の岡本先生から、2週間の間に公立学校、学校外の教育施設(美術学校)、美術館等を精力的に視察された内容について1時間半という短い時間でしたがたいへん興味深いご発表いただきました。
ドイツの学校は半日で授業が終わり、午後は、家庭学習や個々の興味関心に基づいて様々な社会教育のプログラムに参加するとのこと。
参考資料
「ドイツと日本の教育制度の違い」 (山形県上山市ホームページより)



補足資料
「図画工作・美術のカリキュラムの改善に関する研究― 諸外国の動向 ―」国立教育政策研究所(平成15年)を検索してみてください。pdf形式でアップされています。

今回の報告で印象的だったのは、芸術教育の普及に関して、学校と美術関係機関の連携や人材育成の面で行政がしっかりとサポートしていることでした。例えば、保護者の年間負担も60ユーロ(約7240円テキストや教材費の他、うち8ユーロ(約980円)で美術館までの交通費が年間無料)など大きな援助が行われていること。また、教員養成課程も大学で5年間学んだ後、インターンシップとして2年間の実地研修(給与約18万円支給)が課せられているなど、しっかりとした人材育成と支援が行われていることなど、日本との違いに驚きました。

岡本先生自身が特に印象に残っている事例としてケルン青少年芸術学校(学校外施設)の取組をあげておられましたが、ここに通う生徒の中には学力的にボーダーラインに達していない子が自信をなくしている。そうした生徒に自分の思い描く将来の夢を表現させる過程で教師との対話、そして自分との対話を経験させることで、自分をしっかりと見つめ進路を考えさせる機会づくりをしているとのことです。私たちが行っている「自画像」とも言うべきものでしょう。お話を聞きながら、「万国共通の題材」だと感じました。
最後に岡本先生は、美術館と学校との連携を深めていく手だてとして
「ハブ教員(通称:ミュージアム特使)」の養成構想を語っておられました。このことに関しましては、いずれ、ご案内がなされることと思います。今すぐ、ドイツのような行政の支援を求めることは難しいと思いますが、実績を積み重ね示していくことで展望も開けてくることと思います。「美術を通して子どもたちを育てる」一つの方法として注目していきたいと思います。
報告会プレゼン資料を
図工美術OKAYAMA・HPでご覧いただけるようにします。暫くお待ちください。