岡山県立美術館での公開シンポジュウムに参加しました。

講演では金沢21世紀美術館の取り組みが紹介されました。とにかく美術館のコンセプトが明確。なかでも「まちに活き、市民とつくる、参画交流型の美術館」という部分が素晴らしい。数年前金沢を訪れ、この優しく人々を誘いこむような美術館に感動したのを思い出しました。またハード面だけでなく、ミュージアムクルーズや作家によるワークショップなど数々の工夫を凝らしたプロジェクトを紹介していただきました。

さて、シンポジュウムのねらいは「アートトラベリングトランク」というものを活用した鑑賞授業を行うことで、学校⇆美術館の連携から学校と美術館が歩み寄って、ともにめざす目標・ビジョンを持とうというものでした。トランクの中身はこの写真のように雪舟や国吉など郷土出身者の絵画を大きな図版で印刷したもの、武蔵の水墨画を原寸大でコーピーし掛け軸にしたもの、備前焼の実物作品と備前の土。このトランクを県内のハブ教員に配置し、そこから貸し出しをして鑑賞授業に役立ててもらおうという趣旨でした。会場からはトランクに期待する意見と同時にいろいろな問題点も出されました。これから実用までにさらなく工夫や改善を要するのではなでしょうか。