2年生の三学期の授業(2017年度)として行った授業
※2018年度の1学期が忙しく、夏季休業に入りやっと時間が出来たので
報告をします
この授業は「最後の晩餐」の鑑賞から線遠近法→1点透視図法と進んだ授業の
まとめの授業として東山魁夷の「道」と横尾忠則の「Y字路」の鑑賞から、
小さな画面に描いた「わたしの好きな道」の授業
この作品を鑑賞する授業は2011年に選択の授業で取り組んでおり、その後
暖めていた授業です。(詳細は2011年3月参照)ちょうど東山魁夷の作品を
紹介する番組があり、それを見てまたやってみようと思ったわけです。
この授業では次のようなことを意識しました。
(1) 知識及び技能が習得されるようにすること
アニメや漫画で使われる透視図的な表現が、矛盾なく表現できるようになる
ために必要な知識と技能を身につける
(地平線=目の高さ 消失点=立っている人の位置 平行線は消失点に収束
させること)
(2) 思考力,判断力,表現力等を育成すること
道を「人生」や「わたしの進む道」と捉え、自分の未来に想いを馳せること
自分の思いを描き表すためにどのような表現がより自分の心情に似つかわし
いかを描画材の選択をを含めて、試行させることで判断力や表現力を育成
する
(3) 学びに向かう力,人間性等を涵養すること
先人の作品を深く味わい自分なりの解釈を持ち、他人の意見を聞くことを
通して人間性を磨く
想いの(魂の)こもった作品を鑑賞する→想いを(魂を)込めて作品を制作
する
1時間目
東山魁夷の「道」と横尾忠則の「Y字路」の比較鑑賞
カラーコピーした図版をラミネートして各班に配布し、グループで鑑賞
見てわかることを中心に発見したことを発表し、これを簡単に板書
そこから自身の解釈を導き 作文にまとめ→提出
2時間目
NHK日曜美術館で放映した「東山魁夷傑作10選」の1作目「道」の部分を
見せる。作品に込めた作者の思いや作品が発表された当時(1950年)の
人々が作品から受けた想いを心情に訴える。次に一本道を写した写真の数々
を見せる。いろいろな写真から骨組みは単純であることを理解させる。
縦構図か横構図で画面に違いが表れる。水平線の位置で空を仰ぎ見るような
構図(あおり)か大地を見下ろすような構図(ふかん)になることをシンプル
な線で描いてみせる。ちょとした工夫で画面が変わり、表現できることが
変わってくることを理解させる。ワークシートにアイデアスケッチ。
3・4時間目
アイデアスケッチをもとにA5サイズの画用紙に下描き
画材(色鉛筆・クレヨン・固形透明水彩)を選択させて、作品制作。
5時間目
作品に解説をつけて鑑賞会、その後提出
作品は完成度を求めず、想いを込めることを重視して授業を進めた。
思い通りいったところもあれば思い通りにはならなかったものも多かった。 可能性を感じるのだがまだまだうまくいかない。