3年生最後の授業だった。最後の授業は鑑賞にしている。内容はVHS「ゴッホ~生涯をかけた情熱と表現~」(24分)を視聴して、付属のワークシートに記入し(10分)、先生からのラストメッセージで終わる(15分程度)というもの。
あまり工夫はない。ビデオ頼みだ。今年は3年団に所属し、その生徒たちだったので授業を終えての感慨も深かった。終わったという安堵感ともっと何かできたかもしれないという後悔がないまぜになってやってきた。

授業はVTR付属ののワークシートを使って行うが、今年はラストメッセージを変えた。
ワークシートの感想は、真面目に書いてくれたものが多かった。気を使ったか?という感想も多かったが、ビデオを見て、生徒なりに感じてくれたのかなと思わせてくれる感想もあった。いくつか紹介する。

美術室にはゴッホの「ひまわり」の原寸複製画がある。これも利用させてもらう。

付属のワークシートにはこのような課題がある。
「私は生涯をかけて絵を描くことに打ち込む。
私にとって絵は( )だった。
私の生涯は( )だったと思う。」
ゴッホからのメッセージの( )の中に、自分のことばを考え、記入してみよう。
に対して生徒はいろいろな言葉を入れてくれたので、いくつか紹介したい。
「私は生涯をかけて絵を描くことに打ち込む。
私にとって絵は( 自分のための地図 )だった。
私の生涯は( 酸素を加え続けた炎のよう )だったと思う。」
つづきの生徒の感想
「これからの生き方について、自分のしたいと思うことを自分の心に従いながら、燃え続ける炎のように、しっかりともって生きていきたいと思った。」
「私は生涯をかけて絵を描くことに打ち込む。
私にとって絵は( 唯一の癒し空間 )だった。
私の生涯は( 絵に救われた人生 )だったと思う。」
つづきの生徒の感想
「情熱を持っていると今まで以上に努力したい。なりたい自分のために、情熱をバネにして熱くなりたい。将来の夢は人の支えになる仕事につきたいから、まずは高校に合格する。情熱をかけるものを見つけたい。」
「私は生涯をかけて絵を描くことに打ち込む。
私にとって絵は( 人生の一部 )だった。
私の生涯は( 絵を描くことに情熱をもててよかったと思える人生 )だったと思う。」
つづきの生徒の感想
「情熱をもつこと」は人生を生きるために必要なこと。自分の性格上あきっぽいから一つのことに情熱を持つことはなかなかないかもしれないけど、いろんなことに興味を持っていきたい。ゴッホのひまわりとか自画像とかはよく知っているけど、ゴッホ本人のことはあまりよく知らなかったから、知れてよかった。ゴッホの絵の描き方がけっこう好き。油絵の具でひとぬり、ひとぬりに感情がこもっている気がする。」

授業の最後のメッセージは末永幸歩著「13歳のアート思考」からスティーブ・ジョブズの言葉を引用した。
「仕事は人生の大部分を占めます。だから心から満たされるたった一つの方法は、自分が素晴らしいと信じる仕事をすることです。そして、すばらしい仕事をするためのたった一つの方法は、自分がしていることを愛することです。もし、愛せるものがまだ見つかっていないなら、探し続けてください。立ち止まらずに」
いい言葉だなと思う。今の自分の年齢だと実感をもってよくわかるが、15歳の生徒達にはどう響いたのかな。